「奇皇后」直前SP放送!ヒロインは<シンイ>の悪役キチョルの姉?高麗時代と実在した主人公紹介!予告動画
今夜27日(日)NHKBSプレミア夜9時からは、来週8月3日スタートの大ヒット史劇「奇皇后」放送直前スペシャルを放送!番組で豪華共演となったハ・ジウォン、チュ・ジンモ、チ・チャンウクの特別インタビューや、舞台裏満載のメイキング映像など、ドラマの見どころをたっぷり紹介!番組を紹介する動画は、番組公式サイト「番組紹介」コーナーで視聴できる。
ナビコン特集【「奇皇后」を2倍楽しむ】では、オンエアにあわせてドラマをもっと楽しむため、ドラマのあらすじや見どころ、キャストの魅力などを紹介していくが、今回は、舞台となった高麗時代を駆け足でご紹介しよう。
※以降、たくさんの図や年表を参考にするので、参照ページを確認した後は、[×]で閉じてくださいね。
ドラマ「奇皇后」は、元に服属していた高麗に生まれ、逆境を乗り越え元の皇后にまで上り詰めた実在の女性、奇皇后の波乱万丈の生涯をダイナミックにアレンジし、感情を揺さぶる愛と戦いを壮大に描いた歴史エンターテインメント・ロマンス史劇。ただし、ドラマのストーリー自体は創作したもので、架空の人物や事件を扱っており史実とは異なる。
韓国時代劇では、圧倒的に朝鮮時代を舞台にしたものが多いが、最近では「千秋太后」(09)、「武神」(12)など高麗を舞台にしたドラマも増えている。「奇皇后」と同じ時代を背景にした作品に「辛旽(シンドン)」(05)や「シンイ‐信義-」がある。両作品で奇皇后本人、またゆかりのある人物などが登場している。(朝鮮時代、高麗時代などドラマでたどる年表があるのでチェックしてみよう。⇒【ドラマの年表】)
とはいえ、朝鮮時代に比べ、日本の韓ドラファンにはまだまだなじみの少ない時代。まず、高麗時代がどんな時代に位置するのか半島の歴史が一目で確認できる韓国歴史年表で確認しておこう。
■高麗時代って?
高麗時代は、918年に王建(太祖)が建国し、936年に朝鮮半島を統一して、1392年まで続いた統一王朝。都は開城。板門店に一番近い北朝鮮の京畿道に位置する。(半島の時代別の地図があるので参考にどうぞ⇒時代別地図一覧)
高麗は、高句麗の流れを汲む統一新羅の後に興った統一国。仏教文化を成立させ、芸術が盛んで特に磁器工芸=高麗磁器や金属工芸=仏教用具が栄えた。現在、韓国をKOREと呼ぶのはこの“高麗”に由来するとも言われている。しかしながら、古朝鮮時代の大陸(現在の中国東北地方の一部)は隣国となり、朝鮮半島だけが国土となっていた。
前王朝の新羅は“唐”と連合を組んで全国を統一した後、唐を退けた。しかし、高麗は異民族からの侵略や内乱などが頻発した苦しい時代だった。王朝の後半、1170年ごろからは、崔氏による武臣政権がはじまり、アジアから東ヨーロッパにまたがる広大な領域を支配したモンゴル帝国の中国領であった元との間で主要な戦いだけでも6度も行われ、栄華を誇った高麗も国土が荒廃。その後約80年間にわたり高麗は、元の支配下に置かれることとなる。このあたりを詳しく描いたドラマが「武人時代」だ。
このあたりの時代背景をもっと詳しく知りたい方は、【韓流コーナー】の【年表】にあるのでチェックをどうぞ。
では、実在した“奇皇后”とはどんな人物だったのか?
■奇皇后ってどんな人?
奇皇后は、14世紀の元朝最後の皇帝である順帝トゴン・テムル(在位1333年~1368年)の皇后。
モンゴル帝国の高麗征服以後、元と高麗王室は兄弟の契りを結び、モンゴル公主が歴代の高麗王に降嫁していた。高麗王は元の征東行省の長官かつ、元帝の女婿という独自の国際的地位を確保していた。
そんな時代に、奇氏(のちの奇皇后)は、奇子敖の娘で、高麗貢女として元廷に献上された。宮女として順帝トゴン・テムル(在位1333年~1368年)の食膳の給仕などをしていたが、次第に順帝の寵愛を得た。だが、順帝には最初キプチャク族出身のタナシリ皇后がおり、奇氏は嫉妬にかられたタナシリからたびたび嫌がらせを受けた。ところが奇氏にとっては運よく、1335年タナシリの兄が謀反罪で捕らえられ、タナシリも謀反に加担したとして殺された。
その後1337年、モンゴルホンギラート部出身のバヤンフト皇后が冊立され、奇氏は次皇后となった。バヤンフト皇后は穏やかな人物とされており、奇氏にも嫉妬せず、慎ましい賢女と伝わった女性で奇氏との仲は良好。そして奇氏は、1340年にはアユルシリダラ(のちの北元皇帝)を生み、1353年皇太子に冊立されるや、元朝皇太子生母として権勢を握る。その後バヤンフト皇后が死去したことにより、次皇后の地位にあった奇氏は正皇后に昇格し、高麗人元室皇后・奇皇后となった。
しかし、1368年、明により元の中国支配はあっけなく終わりを告げ、権勢を振るった奇皇后はいつどこで死去したのかは詳らかにされていない。
ちなみに、奇氏はもともと高麗の貧しい家柄。高麗ではそんな娘が高麗王よりも高位の元朝皇帝の皇后になったことで、奇氏一門が権勢を振るうようになった。しかし、これを快く思わない“反元”の王、恭愍王は即位後、1356年に奇氏一門を誅殺! このあたりを描いたのが、イ・ミンホが主演した「シンイ-信義-」だ。恭愍王役をリュ・ドクファンが、奇皇后の兄・奇轍(キ・チョル)役をユ・オソンが担当した。詳しくはコチラで紹介⇒イ・ミンホの初史劇「シンイ-信義-」の時代背景って?
さあ、いよいよ来週から始まる「奇皇后」!ドラマをもっと楽しむために、まずは今夜のスペシャル番組をしっかり見ておくことをお勧めしたい。スペシャルの放送は、7月27日(日) 午後9時00分~9時59分、再放送は8月2日(土) 午前11時00分~11時59分、どちらもNHKBSプレミアムで。
【「奇皇后」を2倍楽しむ】では、これからも放送にあわせて各話のあらすじと見どころ、キャストの魅力や時代背景などの豆知識を紹介していくので、こちらのチェックもお忘れなく。【韓流コーナー】では、韓国ドラマを楽しむためのドラマの紹介や、歴史、豆知識を紹介しているのであわせてどうぞ。
◇NHK「奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い-」
◇韓国MBC「奇皇后」番組公式サイト
【作品情報】【「奇皇后」を2倍楽しむ】